「自分史ってなに?」
「自分史ってどう書くの?」
こういった疑問を解決します。
自分史とは……
「自分の価値観や特徴を理解するために、これまでの経験や考え方を振り返って整理すること」
です。
「なんだかめんどくさそう」
「本当に役に立つの?」
と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、今まで一度も自分史を書いたことがない方は、是非一度、自分史を書いてみることをオススメします。
自分史を書くと、自己理解が深まり、自分のことをより詳しく知ることができます。
自分史のメリットについては後述していますが、以下のようなメリットがあります。
- 自己理解の深化
- キャリアプランニングの助け
- 自信の向上
- コミュニケーション能力の向上
- ストレス解消
特にデメリットはありません!
この記事では、自分史の作り方や注意点を詳しく解説します。
これにより、あなたも簡単に自分史作成を始められるでしょう。
特に、人生の転換期にある方や、自己理解を深めたい方にオススメです。
是非最後までご覧いただき、自分史作成の第一歩を踏み出してください。
自分史とは
自己分析における自分史とは……
個人の過去の経験、出来事、感情、そして成長の過程を体系的に振り返り、整理することです。
これは単なる年表や事実の羅列ではなく、以下のような要素を含む深い自己探求のプロセスです。
自分史の特徴を表すと以下の通りです。
- 重要な出来事とその影響:人生の転機となった出来事や経験を特定し、それらが自分にどのような影響を与えたかを分析します。
- 価値観の形成:自分の価値観がどのように形成されてきたか、どのような経験や人々がそれに影響を与えたかを探ります。
- スキルと能力の発展:自分のスキルや能力がどのように発展してきたかを追跡し、そのプロセスを理解します。
- パターンと傾向の認識:自分の行動や決断のパターンを認識し、それらが現在の自分にどのように影響しているかを考察します。
- 将来の方向性の明確化:過去の経験を分析することで、将来の目標や方向性をより明確にします。
自己分析における自分史作成は、自己理解を深め、キャリアの方向性を定める上で非常に有効なツールとなります。
それは単に過去を振り返るだけでなく、未来への洞察を得るプロセスでもあるのです。
自分史を作るメリット
自分史を作成することには、多くのメリットがあります。
以下に主なメリットを挙げます。
自己理解の深化
過去の経験を振り返ることで、自分の価値観や行動パターンをより深く理解できます。
これは単なる回顧ではなく、自己分析の重要な過程であり、現在の自分を形作った要因を明確にする機会となります。
例えば、過去の決断や反応を分析することで、自分の優先順位や判断基準が明らかになり、将来の意思決定にも活かすことができるでしょう。
また、繰り返し現れる行動パターンを認識することで、自己改善の糸口を見つけることも可能です。
「自己理解の深化は、自分史作成の最も重要な成果の一つであり、人生の様々な場面で活きてくる貴重な財産となります。」
キャリアプランニングの助け
これまでの経験やスキルを整理することで、将来のキャリア選択に役立ちます。
これまでの経験やスキルを体系的に整理し、分析することで、自分の強みや適性をより明確に把握できます。
この自己認識は、将来のキャリア選択において非常に有益な指針となり、自分に最適な職業や業界を見極める助けとなります。
また、これまでの経験から得られた教訓や成長ポイントを理解することで、今後のキャリアにおける目標設定や能力開発の方向性を定めるのに役立ちます。
「自分の経験を振り返ることで、これまで気づかなかった自分の強みや興味を発見できることがあります。」
自信の向上
これまでの成長や達成を可視化することで、自己肯定感が高まります。
自分の人生の軌跡を振り返ることで、困難を乗り越えてきた経験や、小さな成功の積み重ねを再認識できます。
これにより、自分の能力や価値を客観的に評価し、自信を持つことができるようになります。
また、過去の成功体験を思い出すことで、将来の挑戦に対する勇気や意欲も高まります。
自分史作成を通じて、自己肯定感を育むことは、精神的な健康や幸福感の向上にもつながる重要な要素です。
「自分史を作成することで、自分の人生の軌跡を客観的に見つめ直し、これまでの成長や努力を再認識できます。」
コミュニケーション能力の向上
自分の経験を体系的に整理し、効果的に表現する能力を身につけることで、他者とのコミュニケーションがより円滑になります。
これは、自分の経験や考えを明確に伝える力を養い、相手の理解を促進するだけでなく、共感を得やすくなることにもつながります。
また、自分の経験を適切に共有することで、相手との信頼関係を構築し、より深い対話や協力関係を築くことができるようになります。
このスキルは、個人的な関係性から職場でのプレゼンテーションまで、様々な場面で活用できる重要なコミュニケーション能力の一つです。
「自分の経験を整理し、効果的に伝える能力は、就職活動やビジネスの場面で大きな武器となります。」
ストレス解消
過去の出来事を整理することで、未解決の感情や問題に向き合う機会が生まれます。
これにより、長年抱えてきた心の重荷を軽くし、新たな視点で自己を見つめ直すことができます。
また、過去の経験を客観的に分析することで、繰り返されるパターンや根本的な課題を特定し、より効果的な解決策を見出すことが可能になります。
このプロセスは、自己成長と心理的な癒しの両面で大きな意義があり、より健康的で前向きな人生の構築につながる可能性を秘めています。
「過去の経験を整理することは、時として心理的な負担を軽減し、新たな視点で自分自身を見つめ直す機会を与えてくれます。」
これらのメリットは、個人の成長や自己実現に大きく貢献します。自分史作成は時間と労力を要しますが、得られる価値は非常に大きいと言えるでしょう。
自分史を書くのがオススメな人
自分史を書くことは、多くの人にとって有益ですが、特に以下のような人々にとってはより効果的です。
- 人生の転換期にある人:就職、転職、結婚、子育てなど、大きな変化を経験している人
- 自己理解を深めたい人:自分の価値観や強みを明確にしたい人、キャリアの方向性を考えている人
- 過去の経験を整理したい人:これまでの人生を振り返り、新たな視点を得たい人。
「学生から社会人まで幅広く使われています。」
自分史の例文
自分史の例を見ることで、具体的なイメージがつかみやすくなります。
以下に、簡単な自分史の例を示します。
年齢 | 印象的な出来事 | 感じた、考えたこと | 価値観、強み弱み、興味 |
---|---|---|---|
6歳 | 学級委員長に推薦される。 | 嫌がる人が多かったけど、嫌いじゃなかった | リーダーシップ |
12歳 | バスケ部キャプテンになる。 | 強くはなかったけど、後輩とも仲良くできた | 年下とのコミュニケーション |
15歳 | クラスで不登校の子に配布物を持って行った。 | 少し責任を感じていた | 責任感 |
18歳 | 高卒で建設会社へ就職 | 社会人になることが嬉しかった | 自立 |
21歳 | 退職 | 同じことの繰り返しがつまらないと感じた。今考えると残業も多かった。 | 同じ作業の繰り返しは苦手、メリハリ、好奇心 |
21歳 | IT系の専門学校に入学 | これからの時代はパソコンだと思った | パソコン |
24歳 | ホームページ作成会社に就職 | 先輩や上司も良いい人だった。積極的に話すようになった。 | 人間関係 |
27歳 | 主任に昇格 | 新人教育でプログラムを考えたり、新人の悩みを聞くのが楽しかった | 悩みを聞く |
自分史を作成する際は、このような形式を参考にしながら、より詳細な内容や感情の変化なども含めていくとよいでしょう。
上記の自分史の例から、以下のようにまとめることができます。
価値観
- リーダーシップ
- 責任感
- 自立
- メリハリ
価値観については以下のページに詳しく記載しているので興味のある方は是非ご覧下さい。
強み弱み
- 強み:年下とのコミュニケーション、悩みを聞く
- 弱み:同じ作業の繰り返しが苦手
強み弱みは、「動詞」であることが特徴です。
強みに弱みに関しては以下のページに詳しく記載しているので興味のある方は是非ご覧下さい。
自分の強みがわからないならこれから始めよう!価値観×得意=強み!
興味
- パソコン(IT)
- 人間関係
興味は「名詞」であることが特徴です。
このように自分史を分析することで、自分の特徴や傾向がより明確になります。これらの洞察は、今後のキャリア選択や自己成長に活かすことができるでしょう。
「自分史作成は時間がかかる作業ですが、過去の経験を整理し、自己理解を深めることで、将来の意思決定に大きな影響を与える可能性があります。」
自分史の作成の前に準備するもの
自分史はこれといった書式が決まっているものではありません。
使用したい自分史のフォーマットがあれば用意しましょう。
このブログでは例で使用したものを使って自分史を作っていきます。
エクセルデータをダウンロードして使用したい方はこちらから↓
自分史の書き方
自分史の作成は、以下のステップで進めていきます。それぞれのステップを丁寧に行うことで、より深い自己理解につながります。
印象的な出来事を書き出していく。
まず、印象的な出来事を順番に思い出して書き出してみます。
ここでは、年齢となっていますが、例えば、”小学生”や”中学生”のように大まかでも構いません。
重要なのは、まず出来事のみを書き出すことです。自分の感情などはまだ記入しません。
まずは客観的な事実のみ書いていきます。
感じたこと、考えたことを書き出していく。
各出来事に対して抱いた感情や考えを書き出していきます。
この段階では、出来事に対する感情を正確に思い出すことが重要です。
当時の気持ちを思い出すのが難しい場合は、現在の視点から振り返ってみても構いません。
感情を言語化することで、自分の価値観や行動パターンがより明確になっていきます。
慣れていないと言葉にするのが難しいかもしれませんが、言語化のトレーニングにもなるのでおすすめです。
自分の「価値観」、「強み弱み」、「興味」を考える。
出来事とそれに対応する感情や思考から、自分の「価値観」「強み弱み」「興味」のどれがわかるかを考えて書いていきます。
「価値観」「強み弱み」「興味」についてはこのブログの中でも解説しているので興味のある方は是非ご覧ください。
【徹底解説】価値観とは「人生で大切なこと」!!簡単にわかりやすく説明!!
自分の強みがわからないならこれから始めよう!価値観×得意=強み!
これといって好きなものがない人専用!自分の価値観を探す方法!
自分史がうまく書けないときは…
「自分史がうまく書けない…」
と思った時は以下の方法を試してみましょう。
写真や思い出の品を見返す
視覚的な手がかりは記憶を呼び起こすのに役立ちます。
古いアルバムや日記、学校の卒業アルバムなどを見返すことで、忘れていた出来事や感情が蘇ることがあります。
また、当時使っていた物や受け取った手紙なども、記憶を呼び起こすきっかけになるでしょう。
これらの視覚的な手がかりを通じて、その時の状況や環境、周りの人々との関係性なども思い出しやすくなります。
「視覚的な手がかりは、記憶を活性化させ、自分史作成の過程をより豊かで詳細なものにする重要なツールです。」
家族や友人と昔の話をする
他人の視点から自分の経験を振り返ることで、新たな気づきが得られることがあります。
例えば、学生時代の友人と話すことで、当時の学校生活や部活動の思い出が鮮明によみがえることがあります。
また、家族と話すことで、幼少期の出来事や家族の歴史について新たな発見があるかもしれません。
他人との会話を通じて、自分が忘れていた出来事や、当時は気づかなかった自分の特徴や成長の過程が明らかになることがあります。
これらの新しい視点や情報は、より豊かで多面的な自分史の作成に役立ちます。
「自分史作成において、他人との対話や自由な記憶の想起は、より豊かで多面的な自己理解につながる重要なプロセスです。」
時系列に捉われず、印象に残っている出来事から書き始める
順番にこだわらず、思い出せる経験から書き始めることで、徐々に他の記憶も呼び起こされやすくなります。
例えば、最近の印象深い出来事から始めて、そこから過去へ遡っていくという方法もあります。
また、人生の転機となった出来事や、特に強い感情を抱いた経験から書き始めるのも良いでしょう。
このアプローチは、記憶を自然に呼び起こし、より感情的で個人的な自分史を作成するのに役立ちます。
時系列順に整理することは後からでも可能なので、まずは思い出せる内容を自由に書き出すことに集中しましょう。
「自由に思い出を書き出すことで、自然な流れで自分史を作成でき、より深い自己理解につながります。」
自分史の分析方法
自分史を使って分析する方法を紹介します。
感情に焦点を当てる
人間は物事に対して、感情が伴うと記憶に残りやすいと言われています。
思い出された記憶には何らかの感情が伴っているはずです。
なんとなく思い出したことでも、そのとき、自分がどう思ったのかじっくり考えてみましょう。
例えば……
小学校の運動会で走る順番が最後だった。
という出来事に対して、
- 悔しかった。
- 情けなかった。
- 競うことが嫌だった。
- 親に申し訳なかった。
- 負けるのが嫌だった。
- 意味が分からなかった。
と、一つの出来事に対して様々な感情が湧き上がる可能性があります。
これらの感情を深く掘り下げることで、自分の価値観や行動パターンをより明確に理解することができます。
例えば、「競うことが嫌だった」という感情からは、協調性を重視する価値観が見えてくるかもしれません。
「感情分析は自己理解の鍵となり、より深い洞察を得るための重要なステップです。」
共通する部分を探す
自分史を作成したら、共通する部分を探してみましょう。
例えば、複数の出来事で同じような感情が繰り返し現れていないか、または似たような状況で異なる反応をしていないかを確認します。
これらのパターンを見つけることで、自分の価値観や行動の傾向をより明確に理解することができます。
今回の自分史の例で言うと、
「学級委員長に推薦」
「バスケ部キャプテン」
などが考えられます。
そこからわかる自分の「価値観」「強み弱み」「興味」はないか?という視点で考えます。
自分の中に繰り返し出てくる出来事は自分の個性を強く反映している場合が多いです。
「繰り返し現れるパターンを分析することで、自己理解がより深まり、自分の本質的な特徴や傾向が明確になります。」
自分史を活用した自己PR例
自分史の分析結果を基に、以下のような自己PRを作成することができます」。
私は、自分の役割やすべきことに対して責任感を持つという価値観を持っています。(価値観)
小学生の頃から学級委員長になったり、所属していたバスケット部ではキャプテンを任されるなど、リーダーシップが必要とされる場面が多くありました。学級委員長やキャプテンは、嫌がる人も多かったですが、私は率先して自分の役割を果たしたいと思い行動していたことが、自分の価値観に気づくことになった理由です。(価値観の裏付ける出来事)
そのため、人をまとめるといった経験を多く積んできました。特に、新人の成長を支援することにやりがいを感じるところがあります。(強み①)
現在の職場では、主任として新人教育を担当しております。年下の社員と積極的にコミュニケーションをとり、様々な悩みを聞き問題解決を行うことでチーム全体の人間関係を良くし、生産性向上に貢献しています。(強み①の根拠)
また好奇心が旺盛で、幅広く情報収集を行います。(強み②)
建設会社での経験を経て、IT業界に転身した際には、自身の好奇心と学習能力を活かして新しい分野にチャレンジしました。(強み②の根拠)
逆に、同じことの繰り返しやメリハリがないと消極的になってしまうことが自分の弱みでもあります。(弱み)
しかし、これは新しいアイデアや効率化の方法を常に模索する姿勢につながっています。(弱みを強みへ変換)
パソコンやIT技術は日々進化しており、とても興味を持っています。(興味)
ITへの興味と人間関係を大切にする価値観を持ち合わせていることで、技術面でのイノベーションとチームワークの両立を実現していきたいです。(価値観×強み×興味)
このような自己PRは、自分史から抽出した具体的なエピソードや特徴を効果的に活用しています。
自己分析の結果を踏まえた説得力のあるPRとなっているため、面接官や採用担当者に強い印象を与えることができるでしょう。
「出来事と感情、そこからわかる自分の「価値観」「強み弱み」「興味」について説明しているので説得力があります。」
自分史の更新
自分史は一度作成して終わりではありません。
定期的に更新することで、自己理解をより深めることができます。
新しい経験や気づきがあれば、それらを自分史に追加し、自己分析を継続的に行うことが重要です。
「定期的な自分史の更新は、成長の過程を可視化し、自己理解を深める重要な習慣です。」
まとめ
自分史は、自分自身を深く理解するための有効な方法です。
過去の経験を振り返り、そのときの感情や価値観を分析することで、自分の特徴や傾向が明らかになります。
この自己分析の過程は、将来の仕事選びや人生の方向性を決める際に、とても役立つ気づきを与えてくれます。
また、自分史を定期的に更新することで、自分の成長を確認し、より充実した人生を送るための基礎を築くことができます。
自分史作成は少し時間がかかりますが、その努力は必ず自己理解と個人の成長につながります。
ぜひ、この記事を参考に、自分だけの自分史作りに挑戦してみてください。