「価値観って、つまり何のこと?」
「価値観って似た言葉がいっぱいあって、よくわからないよ。」
こんな疑問を解決します!
「価値観」という言葉はよく見ますが、意味が人によって違ったり、漠然としている気もします。
そこで、作業療法士・キャリアコンサルタントとしてクライエントの価値観に携わってきた専門家が「価値観」について、わかりやすく解説していきます。
価値観という言葉の解説はもちろん、なぜ価値観といった言葉をよく聞くようになったのか、価値観を明確化する意味についても話していきます。
この記事を読むことで価値観に関する理解が深まり、自己理解が進みやすくなるはずです。
結論としては、価値観とは「人生で大切なこと」「人生の目的」のことです。
価値観とは、人生で大事なこと
価値観の定義はさまざまありますが、ここでは「人生で大切なこと」という意味で使用していきます。
価値観の定義
「ある社会や文化において、その人々が重視し、尊重するべきと認められる価値の総体」
広辞苑
価値観の類義語
人生観
価値観と人生観は違います。
価値観は、人々が何に価値があると考えているかを指しており、人生観は、人生とはこういったものであるという考え方や哲学のことを指しています。
例えば、「人生は苦しみを乗り越えるためにある」というのは人生観ですが、「苦しみを乗り越えることが非常に重要である」というのは価値観になります。
似ている言葉ですが違った意味ですね。
道徳観
価値観と道徳観は違います。
道徳観は、正しいとされる行動や判断の基準となる倫理的な価値観のことを指します。
つまり、道徳観は、自分や他者がどのように行動するべきかを判断するための基準であり、価値観は、その判断基準に影響を与える要素の一つとなると言えます。
例えば、正直さや誠実さを重んじるという価値観は、多くの人にとって道徳的な価値観としても重要視されています。
道徳とは、ひとりひとりが守るべき行動の基準とも言われます。
価値観の同意語
価値観の同意語には、信念、信条、信念体系、モラル、モラルコード、イデオロギーなどがあります。
このブログで価値観の意味
このブログでは価値観の意味を「人生で大切なこと」として使用しています。
それは、とても分かりやすいからです。
私の経験ですが、クライエントと話すときに、「あなたの価値観を教えてください」と言っても答えられる方は少ないです。
しかし「あなたが人生で大事にされてきたことを教えてください。」と聞くと、話してくださる場合が多いです。
私は、「価値観」という言葉を「人生で大切なこと」と変換しても違和感がありませんでした。
そこで、私は価値観を「人生で大切なこと」と考えています。
人生で大事なことは人生の目的でもある
人生で大切なことは、人生の目的とも言えます。
人生とは、さまざまな選択肢から自分にとって大切なことを取捨選択して生きることが目的とも言えるからです。
例えば、家族と過ごす時間が人生で大事な場合、人生の目的はできる限り家族と過ごすことになります。
このように、価値観は目的とも言えるのです。
目標と目的の違い
価値観は「人生の目的」でもあると言いました。
その意味を理解するには、「目的」と「目標」の違いについて区別しておく必要があります。
目標とは、達成するべき具体的な結果を示すものです。
目的は、その結果を達成するための動機や理由を示すものです。
例えば、「1年以内に英語で日常会話を話せるようになること」は目標です。
「海外の人と交流する」は目的であると言えます。
目標は「距離」、目的は「方向」とも言われます。
「あなたの価値観は?」と聞かれて答えられるか。
「あなたの価値観は?」もしくは「あなたが人生で大事にしていることは?」と聞かれてこたえることができますか?
実は今、就職の面接でこの質問をすることが増えてきているようです。
なぜ価値観を面接で聞くのか
面接で価値観を問うのには理由があります。
多様化した価値観がある中で、自分の価値観を言語化できない者も含まれる就職希望者の中から、企業が求める人材かどうか判断するためです。
ITの進化により現代人は膨大な量の情報にアクセスすることができるようになり、現代の価値観は多様性に富んでいます。
様々な価値観が存在する一方で、その独自の価値観を説明できない人が増えているのも事実です。
このような状況の中、企業が求める人材と合致するのかどうか、企業側も判断しなければならないので価値観を問う事が増えているのです。
価値観を答えられるようになると人生は変わる
自分の価値観を明確に答えられると人生は変わります。
それは人生のさまざまな選択場面において、自分にとって大切なことを優先して選択することができるからです。
例えば、家族と離れて単身赴任を命じられたサラリーマンがいたとしましょう。
家族を優先するか、仕事を優先するかを決めるのは自分自身です。
家族と過ごすことが人生にとって大事なら、家族との時間を失ってまで単身赴任の仕事をすることはないはずです。
単身赴任の仕事が人生をかけて挑戦してみたい仕事であれば、家族に理解を得て挑戦させてもらう事も必要です。
このように、人生のさまざまな分岐点で重要な判断をする場合、価値観が判断基準になります。
自分の価値観をしっかり持っていないと判断ができません。
逆に、価値観がしっかりわかっていれば人生を良い方向に導くことができます。
なぜ今、価値観が問われるのか
現代で、価値観が問われるのは、生き方を選べるようになったからです。
価値観の歴史については、こちらの記事でも解説していますので、興味があればご覧下さい。
日本人の価値観はどのように変化したのか?現代人の価値観とは?
働き方、住む場所、結婚についても色々な価値観が尊重されるようになってきました。
生きる選択肢が広がったものの、どれを選べばよいかわからない状態なのです。
現代人は価値観を見失いがち
さまざまな選択肢が多い現代人は、価値観を見失いやすいのです。
だからこそ、自分の価値観を知り、取捨選択していくことが必要です。
「あの人はいいなあ」「この人もいいなあ。」と他人を羨んでいる状態は、自分の人生で大事なことを見失っている状態ともいえます。
「私にとって、これは大事なことだから!!」と胸を張って言えるといいですよね。
このサイトについて
「私の人生で大事なことは……。」を言えるようになることが、このブログの目的です。
まとめ
この記事では、価値観の概念について解説してきました。
価値観とは「人生で大事なこと」であり、人生の目的とも言えます。
価値観の定義や類義語、価値観を答えられるようになることの重要性についても説明してきました。
また、最近の就職面接で価値観が問われる理由や、現代人が価値観を見失いがちな状況についても解説してきました。
自分の価値観を知り、自分の人生を歩みましょう。